Recorded By Katsuhide Nakabo
ロンディニウム
地面に耳をあてて聞いてごらん
腐った肉の叫びを
鍛冶屋と車大工が立てる ガシャンという音を
縄職人のねじり伸ばしを
きみの目は 木が燃える煙の香で染み
くさい尿のアンモニアの刺激で
涙が流れるだろう
その底に長く延びているのは
焼けた鉄の薄く赤い層に残る
ボアディケアの復讐の痕
石と瓦 木
古い火 骨の層にある
灰と粘土のすじを裂いている
柔らかな泥に縁取られた運河の内で
今や北と南に押しつぶされたこの川は
かつてネアンデルタール人
ホモサピエンスを育んできた
五十万年もの間 さまよい歩いた孤独な放浪者を
一万五千年前の 最初の小屋は
今は 訪れるあらゆる人を養子にする
無数の言語の町
狩人 農民 根無し草たちを
Japanese. Translated by Yuko Adams
© Anthony Fisher March 2016